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 【身のまわりの危険物質】
  洗濯用合成洗剤の危険

 LAS
1950年代、合成洗剤が登場したころは、界面活性剤にはアルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム(ABS)という物質が使われていました。ところがこのABSは分解しにくく、河川や海をひどく汚染し、魚や昆虫に毒性があることがわかってきたため、60年代後半からは徐々にリニア・アルキルベンゼン・スルホネート(LAS)に切り替えられるようになりました。現在、生産されている合成洗剤の大半はLASが使われています。しかし、LASもABSに勝るとも劣らない毒性を持っていることが明らかになってきました。LASは、化学物質排出移動量届出制度(PRTR)で第一種指定化学物質に指定され、水生生物への毒性ランクが「A」になっています。Aの物質は、「できれば使用を止め、排出・移動を厳密に管理する」ことを求められています。2003年3月に公表されたPRTR制度の集計結果では、LASは家庭から出る有害物質のワースト1に挙げられています。LASは、動物実験から肝臓や腎臓への影響、胎児毒性などが確認されています。

 植物原料だから安心? 
合成洗剤の中に、「植物性だから安心」とうたっている商品がありますが、本当にそうでしょうか?ココナッツからできているというある洗剤の成分表示を見てみると、『界面活性剤(40% 脂肪酸アルカノールアミド、アルキル硫酸エステルナトリウム)、アルカリ剤(炭酸塩)』とあります。 このアルキル硫酸エステルナトリウム(AS)は、高級アルコール系と呼ばれる合成界面活性剤で、正確には「高級アルコール硫酸エステル塩」です。「高級アルコールが原料」と聞くと品質が高いように錯覚しますが、品質とは無関係です。アルコールは、アルキル基が炭素(C)を1個から3個持っているものを低級アルコール、4個から5個持っているものを中級アルコール、6個以上を高級アルコールと分類されます。洗剤のアルコール系はすべてこのアルキル基が炭素を10個以上持ったものが使われているというだけのことです。この「高級アルコール」は、石油のほかヤシ油やクジラなどの油から作られます。代表的な高級アルコール系合成界面活性剤には、アルキル硫酸エステルナトリウム(AS)、アルキル・スルホン酸ナトリウム(SAS)、アルキル・エーテル硫酸エステル・ナトリウム(AES)などがあります。
メダカの実験では、LASよりもASの方が毒性が強いという報告があります。(東京衛生研究所 1976)
ラットの実験では、肝臓の毒性による細胞変化はLASに次いで激しかったという報告もあります。(元三重大学医学部 坂下栄氏)
「植物原料だからやさしい」なんてよく言えたものです。原料が何であれ、できあがった洗浄成分が石けんの界面活性剤なのか、合成界面活性剤なのかが問題なのであって、原料の問題ではありません。原料が植物であっても、できあがった洗浄成分が合成界面活性剤なら、石けんに比べて生分解は遅く、環境に与える影響も大きいのです。

非イオン系
現在の水道水質規制法では「メチレンブルー法」というチェックが行われているだけです。この分析方法は陰イオン系(LAS、高級アルコール系)合成洗剤しか検出できません。しかし、水に溶けてもイオン化しない界面活性剤があります。(非イオン系)非イオン系の界面活性剤は、洗濯用のほか台所用、掃除用、シャンプー、コンタクト洗浄剤、薬、化粧品、食品にまで使われています。水質検査にひっかからないので、メーカーもこの非イオン系に切り替える動きがありますが、非イオン系の中には毒性の強いLASよりもさらに毒性の強いものもあります。また、フィルム状の避妊薬「マイルーラ」にも精子を殺す目的で非イオン系の界面活性剤が使われています。精子に中途半端に影響した場合や子宮粘膜への影響、男性性器への影響を考えると大変な問題です。

助剤(ビルダー)の問題


ゼオライト
リンによる赤潮や琵琶湖の富栄養化が問題になったため登場してきたのがゼオライトで、合成洗剤に2割程度配合されています。硬水を軟水にして少しでも洗浄力を高めようとしているわけですが、日本はそんなに硬水ではありません。ゼオライトはヒ素などの重金属を吸収して、どこかへ流れて沈殿します。沈殿したところにみな溜まるわけです。そして、酸性化したとき(水が汚れたとき)有害物質と重金属が溶け出します。ゼオライトによって一ヶ所に有害物質が集められ、溶け出すわけですから濃度が高く、被害も大きくなります。また、ゼオライトはアルミニウムを含んでいるので、野生生物が神経障害を起こす可能性があります。

酵素
洗剤に使われる酵素は、たんぱく分解酵素(プロテアーゼ)、でんぷん分解酵素(アミラーゼ)、せんい素分解酵素(セルラーゼ)、油脂分解酵素(リパーゼ)の4種類です。しかし、酵素は温度が40℃以上である程度時間をかけないと効果がありません。それに、1つの酵素で1つのたんぱく質しか分解できないので、多種の汚れには1つの酵素では意味がありません。1969年、イギリスの医学誌「ランセット」によると、酵素洗剤の製造工場の従業員に皮膚炎やぜんそくなどの病気が発生していると報告されています。また、川崎市衛生研究所の小林勇氏らが酵素は全く効果が無いということを証明しています。

蛍光増白剤
蛍光染料と呼ばれるもので、ほとんどがジアミノ・スチルベン・ジスルホン酸系の化合物です。紫外線を吸収して青い光を放出します。青色が衣服の黄ばみを打ち消し、見た目には白く見えます。汚れが落ちないばかりか、汚れの上に蛍光染料を塗りつけて光の反射をごまかして白く見せているのです。この蛍光増白剤を使われたものは、ブラックライトで紫外線を当てると、暗闇で青白く光ります。1979年愛媛県「西条暮らしの会」は、身近なものを持ち寄りブラックライトによる蛍光剤検査を行いました。それによるとふきん、おしぼり、タオル、ティシュ、半紙、トイレットペーパー、包帯、乳幼児の衣類などが青白く光るという結果が出ています。蛍光染料は、厚生省告示(食品添加物等の規格基準)で「使用してはならない着色料」に指定されています。「食品に混和するおそれのある使用」も禁止されています。生理用ナプキンにも使用が禁止されています。これほどまで神経質に禁止されている化学物質も珍しいものです。蛍光染料については、発ガンや催奇形性の目安となる突然変異性について、「濃度によって細胞への致死作用、変異誘発作用が認められる」という警告があります。そもそも汚れを落とすための洗濯なのに、人体へ影響があるかも知れない物質を衣類に染み込ませて、汚れが落ちたと錯覚させる…それがまかり通っている世の中。このままで良いのでしょうか?

参考文献
『合成洗剤の話』日本消費者連盟
『だから、せっけんを使う』船瀬俊介
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界面活性剤の種類
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歯みがき剤の危険

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